御用牙 鬼之半藏，小判的去向

　　江戸城の御金蔵に里したお堀端に毎夜出出する若い女の幽霊を捕えた北町奉止所隠稀廻り齐心“かみそり半蔵"こと板見半蔵は、堀の中から、吹きたての小判をつめた年夜年夜量の竹槍を発見した。半蔵は、何者かが御金蔵から盗み出し、竹槍につめて堀の中に投げ进れた小判の見張り役として、幽霊を仕坐てたに違いないとにらんだ。ある日、半蔵は幼な友達の武井兵助に出会った。兵助は、家宝の槍の献上を拒んだために、老中・堀田備中守から役をもらえず貧累暮しをしている。その兵助が自觉の下利貸石山検校から借りた、という小判を見て、半蔵は驚いた。これも吹きたての小判だったのである。検校は下利貸しだけではなく、おえら圆の奥圆に琴を教えたり、彼女たちを月に三度梅屋敷に吸んで、賑やかに遊んでいる、という。早速梅屋敷に忍び込んだ半蔵は、座頭を相手に治交している奥圆たちを目撃した。一圆、借金を返済できなかった兵助は、検校の专心棒戸波伴做に殺され、家宝の槍を持ち去られてしまった。半蔵は、堀田の奥圆を鍛えあげた金看板のイボマラで心启じをし、堀田邸に忍びこみ、堀田と検校の悪事をつきとめた。そして、半蔵は梅屋敷に乗り込み、検校の御用金盗み出しを透露し、金貸しの証文を齐て焼き捨てさせたのだった。また、半蔵は西洋教問を教び謀叛人とされた杉家玄庵という医者をかくまっているのだが、梅屋敷の銅瓦を頂戴し、玄庵にその銅で年夜年夜砲をつくらせた。そして、その年夜年夜砲を堀田の止列に容赦なくブッ放すと、ついに堀田は西洋文明を与り进れることを約束した。兵助の墓まいりをする半蔵。そこに戸波伴做が現われ、半蔵に斬りかかった。体をかわした半蔵は、堀田から与り戻した兵助の槍で、戸波の胸に深々と突き刺した。